いままでのあたし、本当のあたしは。
裏切られるのが怖くて、何も信じようとしなかった。
寂しいくせに、ひとりのほうがラクだと強がった。
愛されたいと願うばかりだった。
大切な人はみんな離れていく……。
そのうち、自分のことさえ愛せなくなった。
愛そうとしない、信じようとしない。
それなのにあたしは、いつだって誰かに愛や信頼を求めていた。
だけど、陽太の言葉で気づいた。
誰かに愛されたかったら、自分から愛さなくちゃいけない。
誰かに信じて欲しかったら、自分が信じなくちゃいけない。
自分が誰かに何かを与えることにこそ、意味があって。
誰かに願ったり、何か与えてもらったり、何かをしてもらうばかりの人生は、
きっと……何も意味がないんだと。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)