陽太はやっぱり、ずっと前から気づいてたんだ。
あたしが心から笑えなくなってしまったこと……。
陽太といるとき、楽しいとき、あたしは笑ってるはずなのに。
その笑顔は偽りだって、頭のどこかでわかってた。
あたしはずっと前から、本当の自分を隠すために、自分の感情を誤魔化したり、嘘をつくのがいつのまにか癖になってた。
本当に楽しいときでさえ、心から笑えなくなった。感情と表情のバランスさえ狂い出したのかもしれない。
「俺の前で、いつも無理しとったよな」
「そんなことない……」
「そうやって凜は、俺に自分の本音を言わん」
「……そう思うなら、どうして?」
陽太は全部わかってるんでしょ……?
「そんなあたしなのに、陽太はどうして……」
「……心から笑っとる凜が見たい」
あたしの瞳を真っ直ぐに見つめて、陽太は言った。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)