逢いたい夜は、涙星に君を想うから。



あたしを強く抱きしめる陽太の腕が、少しだけ緩んだ瞬間、



あたしは陽太の体を離した。



顔を上げたあたしは、陽太の瞳を見つめる。



出逢った頃から変わらない。



陽太の曇りのない澄みきった瞳が、あたしは好きだった。



「……そんな真剣な顔で……冗談やめてよねっ」



泣きそうになるのを我慢して笑いながら言うと、陽太はあたしを見つめたまま答えた。



「冗談やないよ」



「そんなこと言われても……困る……」



あたしの言葉に、陽太は少し悲しげに微笑んだ。



あたしから視線をはずした陽太は、柵にもたれかかって遠くの景色を見つめた。



少しの沈黙のあと、遠くを見つめたままの陽太が言った。



「なぁ……凜は、いっつも俺の前で笑っとったよな」



「だって、陽太といると楽しいもん」



陽太の横顔を見つめる。



「笑っとる凜を見て、俺はずっと考えとった」



「……何を?」



「いままで俺は……たったの一度でも心から笑っとる凜を見たんかなって……」