逢いたい夜は、涙星に君を想うから。





――ふわり粉雪が


空から舞い下りて



手のひらに落ちた雪は



掴んだはずなのに



そっと溶けて消えていく……。






1年前のあの日も、粉雪が降っていた。



この街から咲下がいなくなった日……



駅のホームで、



繋いだ手を離したあの日から……



あれからもう、1年が経つんだな。



伝えられなかった想い



すれ違ってゆく時間



逢いたい気持ちだけが募ってゆく



高3の冬――。