「なぁ、くぼっち……」
「なになにー?俺の言葉に元気もらって感謝してるってー?」
真剣な表情でマジメなことを言ってるかと思えば、すぐにふざけるくぼっち。
それがくぼっちの照れ隠しだということも、最近になって気づいた。
「ホント、いろいろ感謝してる。ありがとな、くぼっち……」
「ちょっ……オイッ!いつもとパターン違うと調子狂うだろーよ?俺への塩対応どーしたよ?」
「ふっ……たまにはいーだろ?」
「は?マジで怖いんだけど。今日何か起きる?もしかして雪でも降る!?」
「すげぇ……くぼっち。当たり」
「え?」
俺は窓の外を指差した。
いつのまにか窓の外では、白い粉雪が舞っている。
「マジで雪!?天気予報で何も言ってなかったじゃん!どーりで寒いわけだっ」
くぼっちと俺は立ち上がって、教室の窓のほうへと歩いていく。
ふたり並んで、教室の窓から外の景色を眺めた。
「橘……」
「ん?」
「おまえ……ホントに卒業したら沖縄のペンションで働くの?」



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)