叶わないと知って、諦める想いも。
叶わないと知って、それでも好きだという想いも。
……間違いなんかじゃない。
誰かを好きになるって、そういうことだろって。
それくらい一生懸命なんだって。
くぼっちは改めてそのことを俺に気づかせてくれた。
「忘れられない恋?それほど好きって思える人に出逢えたってことじゃん。大事にしろよ」
「くぼっち……」
「誰に何と言われようと、好きなんだからしょーがねーじゃん。想い続けてたら、いつか忘れられるかもしんねーし、いつか想いが届くこともあるかもしんねーし」
「ん……」
俺の肩をポンと叩いたくぼっちは、ニコッと笑って言った。
「先のことなんて誰にもわかんねーんだからさっ!いまの気持ち大事にするしかねーじゃんっ」



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)