逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




――コンコン、ガチャ……。



2階の自分の部屋にいると、のえるの母親がやってきた。



「あの子……歩き疲れたみたいで、眠っちゃったわ」



「そうですか……」



「さっきは頬を叩いて、ごめんなさいね」



そう言って彼女は、あたしを見つめた。珍しく素直に謝る彼女に、あたしは驚きを隠せない。



「あの子を見つけてくれてありがとう」



「のえるがいなくなったのは、あたしのせいですから……」



「……寒いからお風呂に入って温まりなさい」



そう言い残して、彼女は部屋を出ていった。



あたしはイスに座り、デスクの上に置いたのえるが作ってくれた紙粘土の星を見つめた。



あたしはポケットから星砂のキーホルダーを取り出し、星の隣にそっと置く。






――生きていれば



大切なモノは、自然と増えていくだろう。



だけど失ったモノが大きすぎて



どんなに大切なモノをかき集めても



心の隙間を埋めることは出来なかった。