のえると一緒に家に帰ると、のえるの母親はのえるを強く叱った。そして、そのあとは優しく抱きしめていた。
母と娘。
その姿に、自分の幼い頃を重ねた。
お母さんの優しい笑顔、お母さんの怒った顔。
お母さんの声、お母さんの仕草を思い出した。
心からあたしを愛してくれた。
お母さん……。
誰より大切な人だった。
いまでも愛してる。この先もずっと変わらないよ。
ねぇ、お母さん。
お母さんならきっと、わかってくれるよね?
のえるには、優しく接したい。
そのほうが、あたしも傷つかないでいられるの。
お母さんなら、わかってくれるでしょ?
いつだって、あたしの味方でいてくれたお母さんだから。
ごめんなさい。
許して……お母さん……。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)