逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




お星様が……宝物……?



あたしは首を傾げて、のえるを見つめる。



もしかして……あのときのこと?



前に、橘くんからもらった星砂のキーホルダーをあたしが落としたときに、



のえるが拾ってくれたのに、あたしはのえるが勝手に盗んだと勘違いしてしまったことがあった。



あのとき確か……



“大声で怒ったりして……本当にごめんね”

“それぇ、りんちゃんの……たからものなのぉ?”



“うん、そう……すごく大切な宝物……”

“おほしさまっ?”



“そーだね、お星様の形……”



あのときのこと、のえるは覚えていて……。



だから今日も、紙粘土で星を作って、あたしにくれたのかもしれない。



いま思えば、のえるがあたしに星をくれたのは今日が初めてじゃなかった。



のえるが書いた絵。あたしにくれた絵の中には、いつも星が書いてあった。



ずっと不思議に思ってた。



なんでチューリップの絵を書いても、動物の絵を書いても、なんで絵の中に星が必ず書いてあるのか。



のえるは、あたしの言葉を覚えてたんだ。



「あたしのために……お星様を探しに行こうとしたの……?」