逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




駅から少し離れたところで、あたしは立ち止まる。



のえるの手を離し、のえるの前にあたしは立った。



あたしは地面に膝をつき、目線の高さをのえるに合わせて話す。



「どうして勝手に家を出ていったの?心配するでしょ?」



「……ごめんなさぁい」



怒っているあたしの表情を見て、のえるは悲しそうにうつむく。



「ひとりで電車に乗ろうとしたの?いったい、どこに行こうとしてたの?」



のえるの両肩を掴んで、のえるの体を揺さぶった。



「ねぇっ!のえるっ」



涙ぐむのえるは、小さな声で答えた。



「……おほしさま」



「え……?」



「おほしさまを、さがしにいくの……」



「……どういう……こと……?」



「まえに……りんちゃん、おほしさまがタカラモノっていってたから」