逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




「凜ちゃん教室にはおらんみたいやけど、見つけたらお兄ちゃんが連れてくるって!」



「なんか悪いな」



「ふふっ。気にせんでええよっ」



「ありがとう……ん?」



彼女は俺の顔をジッと見つめている。



俺の顔に、なんかついてるのか……?



それとも、まだ怪しいヤツだと思われてる?



「お兄ちゃん、ヤキモチやくやろぉな~」



「え?」



ヤキモチ……?



「めっちゃイケメンよね!モテるやろ?もしかして……凜ちゃんの元カレ?」



「ち、違うよ」



「ふ~ん?」



彼女はニヤニヤしながら俺の顔を見ていた。



ヤキモチって……。



もしかして、この子の兄ちゃんは……咲下のことを?



胸がザワザワする。



「ほんで、凜ちゃんのこと好きなん?わざわざ会いに来たんは、そういうことなんやろ?」



俺に顔を近づけて、ニコッと微笑む彼女。



この子……けっこう鋭いな。



「えーっと、あ、そうだ。咲下に返したい物もあって……」



「返したい物?なんやぁ。陽葵はてっきり恋のライバル登場かと……」



「え?ライバルって……」



イヤな予感がした。



彼女は俺に満面の笑みを見せて言った。



「お兄ちゃんと凜ちゃんね、付き合っとるんよ」