電車に乗って約2時間、俺は咲下の通う高校の最寄り駅に着いた。
「やっべ、急がねぇと」
改札を出たのは、午後3時頃。
俺は咲下の転校先である天ノ川高校へと向かった。
道の途中で、制服を着た高校生たちと何人かすれ違ったりもした。
天ノ川高校の生徒だろうか。
すでに下校時刻を過ぎてしまっているなら、咲下とすれ違いになってしまうかもしれない。
俺は通りすがりの人に道を聞きながら、天ノ川高校へと急いだ。
そして、駅を出てから15分ほど。
「……ここか」
俺は天ノ川高校の正門前に着いた。
正門から出てくる生徒たちの中に、俺は咲下の姿を探した。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)