逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




くぼっちとダラダラふざけながら日直の仕事を終えていく。



あとは学級日誌を書いたら終わりだ。



といっても、自分の席で学級日誌を書いてるくぼっちの前に、俺はただ座ってるだけ。



「なぁ、橘……」



学級日誌を書く手を止めて、うつむいたままのくぼっち。



「なに?」



「咲下が元気にしてるか……気になるだろ?」



「急になんだよ……」



「咲下が転校してから、もう半年くらいか?」



「……うん、そだな」



この半年の間、1日だって



咲下を思い出さない日はなかった。



「俺さ、橘の過去のこと聞いて、咲下との出逢いも再会したのも運命だなって思った。でもさ、こうしてまた遠くに離れちゃったわけじゃん?」



「うん……」



「たとえ運命の人がいても、その赤い糸を結ぶのも切るのも、もしかしたら自分次第なのかもって……」



くぼっちは真っ直ぐに俺の目を見つめた。



「運命は手繰り寄せるもの……なのかもって、最近思ってさ」