逢いたい夜は、涙星に君を想うから。






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夜空を見上げたら

今日も涙が流れた



流れて

きらり光って



涙と星は似てる



それとも



涙は、いつか星になるの?



いま見てるこの星が

何年も前の光なら



いつか



星になった私の涙

かき集めたら



大きな光になるかな



つらく悲しい

真っ暗な世界でも



強い光になれるかな



“涙星”



きっとどこかで

誰かも見つめてる




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咲下が落としたノートの1ページ目に書かれていた、



この詩のタイトルは“涙星”。



あの日、その詩を見た俺は、涙を流して夜空の星を見ていた。



俺なりに、彼女の書いたこの詩の意味を受け止めた。






“いつか時間が経てば、

あの頃に流したたくさんの涙が、きっと自分を強くしてくれるだろう。



たとえ、暗い夜にしか見えない星のように、

つらく悲しい世界でしか生きられない自分でも。



きっと、涙の数だけ、強くなれる。



そして、そんな世界で生きているのは自分だけじゃないはず。



きっとどこかで

同じ星を見ている誰かも涙を流してる”