俺は制服のポケットの中から、カギに付けた星砂のキーホルダーを取り出して見つめる。
「それって、咲下とおそろいのやつだっけ?」
「うん……」
沖縄で、俺が咲下に星砂のキーホルダーを買ったのには、理由があった。
あの日、咲下が落としたノート。
沖縄にいるときに、そのノートのことを思い出した俺は、
彼女に“星”をあげたいと思った。
そこで見つけたのが、あの星砂のキーホルダーだった。
“星砂には、幸せを呼ぶ、願いが叶うというジンクスがある”
その言葉を見たとき、咲下に星砂のキーホルダーを渡したいって思った。
そして青色の星砂のキーホルダーを選んだのにも、理由がある。
まさか咲下も全く同じ物を買っているとは思わなくて、ホントびっくりしたけど……。
あの日、咲下が忘れていったノートの最初の1ページ目には、
ある詩が書かれていた――。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)