逢いたい夜は、涙星に君を想うから。





「あの子には……もう二度と逢えないって思ってた」



だけど、あの日からずっと。



俺は彼女のことが、心のどこかで忘れられなかった。



彼女を想ってた……。



それが初恋だとも気づかずに……。



「だから、ホントに驚いたよ。高2の春……クラス替えで同じクラスに“咲下 凜”がいるんだもん」



でも、そんなはずない。



こんな偶然あるわけない。



もしかしたら、同姓同名の女の子かもしれない。



でも教室で咲下を目の前で見たとき、



あの日、手を差し伸べてくれた彼女だとハッキリわかった。



「高2のときに再会しておまえ、咲下とは“あの日”のときのこと話したの?」



くぼっちの言葉に俺は首を横に振った。



「話してない……でもいつか話すつもりだったよ」



彼女と再会した瞬間、俺は気づいた。



あの子を想う気持ちが……恋だったこと。



そして目の前にいる“あの子”に、いまも恋をしていること。