逢いたい夜は、涙星に君を想うから。





友達みんなの家を順番に泊まり歩いて、だけどそれもそのうち限界が来た。



学校を長く休んだら、先生や友達に事情を聞かれて、うまくごまかせなくなる。



親父に暴力を振るわれていることも発覚してしまうかもしれない。



しばらくして、俺は家に帰るしかなくなった。



「その頃の親父は、もう仕事も探さなくなってた。学校から帰ると家に親父がいて、昼間っから酒飲んでてさ」



「……おまえ……我慢して暴力に耐えてたの……?」



あの頃も俺は、親父の気持ちを理解しようと必死だったけど、



殴られたり、蹴られたり……暴力が繰り返される日々に、



俺はだんだん、まともには考えられなくなっていった。



「親父のこと……いつか殺してしまう気がした……」



逃れられない痛み……



悲しみ、恐怖。



暗くて何も見えない

そんな世界にいた。



暗い夜を歩き続けて



来るはずのない夜明けを

心のどこかで待ってた。



俺はまだ子供で



どうしたらいいかわかんなくて

何も出来なくて



“誰か……助けて……”



誰にも届かない心の叫び声も



夜の闇に消えていった。