「橘くんも星空が見たくてここに?」
「うん」
「そっかぁ。あたしたちの住む街は、こんなにたくさんの星は見えないもんね」
本当は、こんなふうに夜空には、
ちりばめられた星屑が見えるはずなのにね。
あたしたちの住む場所は、街の明かりが邪魔をして
ほとんど星が見えない。
本当はちゃんと、そこにあるのに。
どんなに小さくても、ちゃんと輝いてるのにね。
でもね。
誰にも見つけられない星だったとしても。
意味がないなんて思わない。
きっと、どんな小さな星にも
存在してる意味がある。
あたしはそう思ってる。
「俺さ、小さいころ田舎に住んでたんだ」



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)