逢いたい夜は、涙星に君を想うから。



「だってほら、いつも一緒に学校来てるじゃん」



「え?あー、アハハッ……彼女ちゃうよ!妹や。1コ下の妹!」



「妹……?陽太って妹いたの?」



「似とらん?昔はよう似とる言われとったけど……」



妹……そっかぁ。



陽太が嘘つくわけないもんね。



あたしが勝手に勘違いしてたのか。



「ふっ……。凜は、妹のことずっと、俺の彼女やって思うとったん?」



「うん。お似合いのカップルだなと」



「ほんで?」



陽太はあたしの顔を横から覗きこんで、ニヤニヤしながら聞く。



「ヤキモチやいた?」



あたしは陽太の目を見つめる。



「ねぇ、その冗談どうやって返せばいいわけ?」



あたしが目を細めて聞くと、陽太はため息をつく。



「……もうええ」



陽太はあたしから目を背ける。



「そろそろ……みんなのとこ戻らんとな」



そう言って先に立ち上がった陽太は、あたしに手を差し出して微笑む。



「うん……」



あたしはその手を掴んで、立ち上がった。



空き缶をゴミ箱に投げ入れて、あたしの少し先を歩いていく陽太の背中を見つめる。



“ヤキモチやいた?”



いまのって……



冗談……だよね……?



陽太ってたまに、



冗談なのか本気なのか



わかんない時がある……。