陽太の彼女。 転校初日であたしが道に迷ったときも、陽太の自転車の後ろに乗ってた。 あれからも何度か、朝ふたりが一緒に学校に向かうのを見かけたことがある。 太陽みたいに明るい陽太と、まるで……向日葵のように美しい彼女。 お似合いのカップル。 ふたりを見かけると、心が和んだ。 憧れだった。 あんなふうに好きな人と楽しい学校生活を送ること、 あたしにはもう絶対に。 叶わない夢だから……。 「俺、彼女おらんよ」 え? なんで嘘つくの……?