「陽太の家?」
陽太は起き上がって、笑顔でコクンと頷く。
「日曜、うちの庭であいつらとバーベキューやるけん」
「バスケ部のみんなと?」
「そうや」
バーベキューかぁ……。
なんだか“青春”って感じ。
日曜日、別に予定もないし。
家にもいたくないし。
バスケ部のみんなもいい人たちだし、行ってみよっかな。
でも……。
「また女の子あたしだけ?」
「あー、彼女連れてくるやつもおるんやない?みんなでパーッと楽しもうや!」
あたしバスケ部でも、誰かの彼女でもないのに……本当に行っていいのかな。
迷惑じゃないのかな。
「俺ん家の場所わからんやろ?土曜の夜に電話するけん」
「あ、うん。あのさ、彼女も……もちろん来るよね?」
「え?彼女って誰?」
陽太は首を傾げて聞く。
「誰って……陽太の彼女だよ」
あたしは起き上がって陽太を見つめた。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)