逢いたい夜は、涙星に君を想うから。



「人が好きやけん」



そんなふうに素直に言える陽太が、素敵だなって思うよ。



陽太の横顔を見つめて聞いた。



「ひとりでいるほうがラクって思うときないの?」



「また寂しいこと言うて……」



陽太はあたしのほうを向いて頬をギュッとつねった。



「痛いよぉ」



「凜はひとりでおるほうがラク?」



「ラクじゃない?だって、ひとりだったら傷つくこともないしさ。誰かに傷つけられて、感情に振り回されることもないし……」



「感情ないんやったら、ただの人形やん」



「人形……ね」



たまにそう思うよ。



傷つくたびに。

悲しいことが起きるたびに。



ひとりで涙を流すたびに。



自分が人形だったらよかったのにって。



感情も持たない、傷つくこともない。



ただの人形だったらいいのにって……。



「傷つけるんも人やけど、支えてくれるんも人やけん」



そう言って陽太は微笑んだ。