陽太はずっと前から気づいていたのかもしれない。
それでも陽太の前では、たとえ本当の自分じゃなくても、
偽りの笑顔を見せてでも
明るくいなきゃって思ってた。
もうそれが自然と癖になってる。
陽太といるのが嫌なわけじゃない。
陽太はいつも明るくて、前向きで。
一緒にいると楽しいはずだった。
それでも、心の底から笑えない自分がいる。
自分じゃどうすることも出来ない――。
「はぁー!きれいな青空っ」
コーラを飲み干して、陽太と地面に寝っ転がった。
「ねぇ、陽太はさ……」
「んー」
「友達多いよね」
「ほうかな……」
「陽太がみんなから好かれるの、なんかわかるよ」



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)