「なに?どしたの?陽太……」
「凜……楽しくなかったんやない?」
こんなこと聞くなんて、なんだかいつもの陽太らしくない。
どうしたんだろう。
「楽しいよ?バスケ。みんなも優しくて、面白いし……」
「……ほうか」
陽太は、あたしの答えには納得していないような表情だった。
「なんでそんなこと聞くの?」
そう言ったあと、あたしは転校してきた日に、陽太に言われた言葉を思い出した。
“凜は……無理せんと笑えんの?”
もしかして……
「あたし、笑ってなかった?」
「……笑うてたよ」
「でしょ?楽しくなかったら……笑わないよ……」
そっか。陽太は気づいてたんだね。
あたしの笑顔が、嘘だってこと。
あたし……いつのまにか、心の底から笑えなくなってた。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)