逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




「凜ちゃんっ!ほらっ」



ボールを持っていたひとりの男子が、あたしに向かってふわっと軽くボールを投げてきた。



――トンッ。



あたしは咄嗟にボールを受け取る。



「凜ちゃん!こっち、パスッ」



「あ、はい」



あたしは手を上げている男子にボールを思い切って投げた。



あたしからのパスを受け取った男子は、すぐさまドリブルで相手をかわして、綺麗なカーブを描きシュートを決める。



さすがバスケ部……。



隣に立っていた陽太があたしの顔を覗き込んだ。



「凜、実は運動神経ええやろ?」



「よくないって」



「またまたぁ~」



その笑顔に騙されないって思っても、結局、いつも負けてる気がする。



「じゃー、凜ちゃんと俺は味方ねー」

「おまえ、勝手に決めてんなよっ」

「いーじゃん別に~」

「おーい!陽太も凜ちゃんも早くこっち来いよーっ」



本当にあたしバスケするの……?



「ほら、呼んどるよ」



陽太はあたしの手を掴んで彼らの元へ走ってく。