逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




――――――……




寒い冬が通り過ぎて、季節は春。



きれいな青い空を、ゆっくりと流れる白い雲。



ポカポカと暖かい陽射し。



ふわっと髪を揺らす穏やかな春風。



朝、駅から高校に向かって歩いていく中、薄ピンク色をした桜の花びらが、ひらひらと舞っている。



4月上旬。



あたしは、今日から高校3年生になる。



「おはようございます」



正門のところに数人の先生たちが立っていたので、挨拶をした。



「おはよう。新しいクラスと、名前、あそこの掲示板に貼ってあるから確認してな」



「あ、はい」



昇降口近くの掲示板の前で、たくさんの生徒たちがザワザワと騒いで集まっている。