――――――…… 昼休み、俺はひとり階段を下りていく。 「橘ーっ!先行くなよぉー!」 クラスのやつらが後ろから俺を追いかけてきた。 いつも昼休みにグラウンドでサッカーをしているメンバーだ。 「今日、俺……サッカーはパス」 「えー?マジかよ!」 「悪いな」 「どこ行くんだよ?橘」 「眠いから保健室で昼寝してくる。じゃーな」 俺は後ろ向きでみんなに手を振って、先に階段を下りていく。 「ふぁーあ」 俺は大きなあくびをしながら、保健室へと向かった。