逢いたい夜は、涙星に君を想うから。


1コは、自分の分。



もう1コは、橘くんに……。



おそろいのキーホルダーとか。



「ふふっ」



つい、ニヤけてしまう。



あたしは周りをキョロキョロと見回した。



ニヤけたところ、誰にも見られてないよね?



でも……橘くんに渡すチャンスなんてあるかな?



それともキーホルダーなんて男の子は欲しくないかな?



ていうか、そもそも。



あたしから、こんなものをもらっても橘くんを困らせるだけ?



橘くん優しい人だから、いらないとかは言わなそうだけど……でも困らせたくないし……。



「咲下さーん!そろそろ次の場所に行かないとー!時間ヤバいーっ」



同じ班の子が向こうで呼んでる。



「ごめん、いま行くねっ」



結局、勇気のないあたしは、1コだけ。



自分用に青色の星砂のキーホルダーを買ってお店を出た。