逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




――――――……



翌朝。



羽田空港から飛行機に乗り、3時間弱で那覇空港へと到着した。



「ハイサーイ!」



そう言ってクラスの男の子が元気よく叫んでいた。



飛行機を降りた時からすでに、クラスのみんなのテンションは高かった。



中学のときの修学旅行はイジメられていたのもあって最悪な気分で過ごしたけれど、今回はあたしもどこかワクワクしている。



3泊4日の沖縄修学旅行が始まった。



「わぁー」



やっぱり海が青くて綺麗。



それがあたしの一番最初の感想だった。



空気とか、周りの景色、雰囲気も、あたしの住む町とはやっぱり全然ちがう。



なんか開放的な気分。



この綺麗な海をずっと見つめていたら、つらいことも何もかも全部忘れてしまいそう。



「アハハッ」



この笑い声。橘くんの声だ。



少し離れたところで同じ班のみんなと楽しそうに話している橘くんを見つめる。



橘くんの笑顔を見て、あたしもうれしくなる。



橘くんと、少しだけでも話せるといいな。