直美はシイエの孫の中で一番若い

母子家庭に育った直美にとってシイエは時に母親であり時に父親でもあった

篤子は後悔させたくなかったのだ

二人がシイエの元に辿り着いた時には棺の蓋は閉められていた

小窓から手を突っ込みシイエの頬をつかむ直美の姿は周りの涙を誘う

「ばあちゃん…ありがとう」

直美はそう言うとその場に膝をついた