田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~

手術当日

考えられなかった事が起きる

開腹した医師は我が目を疑った

わずか十日のうちに信じられないスピードで癌は進行していたのだ

手術を決めた日には切除できるはずだった箇所は周りの臓器ほとんどに転移していた

「残念ですが手を付けられないまま縫合させていただきました…」

医師の言葉にその場にいた息子達と孫達は肩を落とした