「笑わないでよ」 「笑わへんよ。だから見せて」 そう言うと咲希は棚からまとめられた写真を取り出した。 「はい」と写真を手渡され、空良と一緒に見る。 写真は景色が多く、空が中心に撮られていた。 空良は一度見たことがあるのか、「やっぱり上手いね」など咲希に言っている。 「どう、かな…?」 「………うん」 感想を尋ねてくる咲希に俺は返事が出来んかった。 一枚の写真が俺の意識を集中させたからだ。