ミーンミーン…と騒がしいぐらいに蝉の鳴き声が響き、太陽がジリジリと地面を焦がす。 教室には開けきった窓から生温い風が広がっている。 「…暑い」 パタパタ〜と下敷きで扇ぐ未来ちゃん。 「早く冬になんないかな」 「夏休み終わったとこだよ」 「あぁ…、夏嫌い」 げんなりした表情を浮かべる未来ちゃんに笑い返す。 アキが手術をしてから数ヶ月が経っていた。