「なぁ、高良(タカラ)くん」 「ん?」 「俺、高良くんが診てくれてんのが不思議やわ」 「なんだよそれ」 ははって笑い、カルテを書く手を止め、俺の方に向き直る。 「だって俺らがガキの頃、高良くんってまだ学生やったやん」 「学生じゃなくて、研修医だったの」 「どっちでもえーわ」 なんだそれって笑い懐かしそうな顔をする。