『本当にいいのか?母さんに気を遣う必要はないんだ』 「ちゃうよ…。俺がこっちにいる意味がなくなっただけやし…」 『本当か?後悔しないか?』 「あぁ。今月中には帰るわ」 『…分かった』 父さんとの電話が終わり、静かに電話を切った。 「風邪引くぞ」 「あぁ…」 ベランダの手摺りに腕をつきもたれ掛かり、白い息を吐く。