「実家に決まってるやん」 「本気か?」 「あぁ…。何か今の状態から逃げたい…」 ボソッと呟き、俺は顔を腕の中に埋めた。 「………そうか」 空良はそれ以上、何も言ってこなかった。 弱虫でも、卑怯者でも、何でもいい。 ただこれ以上、咲希の辛い笑顔なんか見たない…。