空良は放課後、毎日見舞いにやって来て、面談時間が終わるギリギリまで、病室で勉強や読書をして帰る。 「空良…」 「んー?」 再び英語の教科書に目を通す空良に声をかける。 「何で来ぉへんのかな」 「…咲希?」 「メールしても電話しても返事がないねん…」 「…………」 「何でやと思う?」 力無く空良を見つめると、空良は「…テスト勉強に集中したいんだろ」と苦笑した。