「アキ?」 「………帰ろか」 必死で泣きそうなのを堪え、笑って咲希の手を引き足を進める。 「どうしたの?」 「ううん…、ただ幸せやなぁ…と思って」 「…幸せ?」 「うん、幸せ。やっぱりこっちに戻って来て正解やったと思って」 「本当に?」 「あぁ…」 夕焼けに染まる街に咲希といる、このたった一瞬がいつまでも続けばいいのに…と思った。 なぁ、俺、後どれぐらい残ってる…?