「…なんでって、そんなの決まってんじゃん。アキが…」 俺を見つめ、口を開く咲希の言葉を「ごめん、帰る」と慌てて遮る。 こんなん聞いてどうすんねん。 もし、もしも咲希が…。 「ちょっと待ってよ!!」 鞄を掴まれ引き留まる俺の背後から、咲希の必死な声が聞こえてくる。 「…なんでそんなに避けるの?私、アキに嫌われるようなことした?」 してへんよ。 嫌われるようなこと、何もしてへん。 だからこれ以上言うなよ。