そして10月中旬になり、季節は秋へと移り変わろうとしていた。 教室はいつものように騒がしく、俺は何をするでもなく、ただボーッと一点を見つめていた。 「アーキー」 「…………」 「アキ!太陽!」 「…………」 「アキちゃん、無視すんな」 「えっ?」 空良の声に気付き、パッと顔を上げると今にも切れだしそうな空良が立っていた。