「あー…俺、打ち上げ出れへんわ」


「何でだよ?俺らのクラスが優勝したのに」


最後の男女混合リレーで逆転勝利を収めた為、急遽、クラスで打ち上げが行われることに決まった。



「先約」


「…あ〜、行かないと殺されるな」


「…やろ?」


空良も何の用事があるのか分かったみたいで苦笑した。



「まぁ、今日は体調不良ってことになってるから、帰りやすいけどな」


「まぁな…。でも咲希が怪しんでるかも」


「咲希が?」


「アキがいないってたまに気にしてるから」


「…頑張って誤魔化してくれ!」


ポンと空良の肩に手を置くと、空良に思いっ切り睨まれた。



「冗談やん!冗談!それより、これ」


慌ててジャージのポケットからカメラを出し、空良に握らせた。



「あぁ、カメラ。結構撮った?」


「お〜。一日、見学してたからな。一応、校長と俺のツーショット写真も撮っといたぞ」


ニコッと笑うと、「……あぁ、そう」と冷たい返事が返ってきた。