「………シンデレラ」
無意識に、彼女の名前を零していた。
シンデレラ(彼女)のことは引き下がると決めたのに、まだ引きずっている自分が嫌になる。
想いが残っていれば、それだけ辛いというのに。
「主さま?」
リオルをシンデレラと重ねてしまえば、この想いは楽になってしまうのだろうか。
胸の内で呟いた。
けれどすぐに、自分を嘲笑う。
重ねたところで、楽になんかなりやしない。
その想いはさらに儚くなるばかりで、さらに寂しさを感じるだろう。
そして、リオルが傷つくだけ。
「……外の空気に触れてくる」
どうしても彼女(リオル)を見ていると、シンデレラのことを思い出してしまうから。
リオルを、シンデレラに重ねてしまうから――――。
あぁ、心が痛いと叫んでいる。