「・・・・主様?」


「あ、いや、何でもないよ。 とにかく、せめて傷が治るまでは安静にしていておくれ」


「・・・・・・・分かりました」


どうにか彼女を大人しくできたウィズは安堵の胸をなで下ろす。
深手を負っておきながら、無理に動けば また傷が開き、治りはしない。

それは傷を負っている少女自身が、よく分かっていることなのに、それでも彼女は 彼の手伝いをしようとした。 それはまるで、何かに怯えるかのように。



本当は、クロードとシンデレラ以外の者と関わる事は、避けたいけれど・・・・。
仕方がない、この子の行く宛が見つかるまで、僕が面倒をみるしかないか。



ウィズがそう決めたのは、奴隷への情けか、はたまた 彼女がシンデレラと似ているせいか―――、

それはまだ 誰にも分からない。