* 「あ、おはよう」 瞼を上げると、紅い瞳と視線が絡む。 その色に、ドクン と心臓が跳ねる。 紅を帯びた瞳、それは魔法使いである証。 ( ・・・・・悪く思うなよ ) 魔法使いを見たのは、初めてではなかった。 「あれから二日も眠り込んでいたんだよ」 その声に、彼女は過去から現実に戻り、ガバッ と体を起こすが、 「・・・・ッ」 鋭い痛みが、体中を襲う。