「あ、気がついたかい?」


痛みに耐える少女の額に、彼は手をそえる。


「まだ動いてはいけないよ。 傷が深すぎるから」


優しく微笑む彼の顔を、彼女はぼんやりと見つめる。


「申し訳、ございま・・・せん」


掠れた声を必死に出して、再び少女の瞼はおろされ、


今回は、優しい主様なんだ・・・


そんな事を心の中で呟き、そして 彼女は深い眠りへ落ちた。