「佐藤さんはお怪我は?」 上司は佐藤を気遣う。 「私は大丈夫です」 『私』だと? 夜は『僕』なのに。 「今日から、佐藤くんもキミらの上司になるからね」 とか何とか長々上司が説明していたけど、私の耳にはちゃんと届いていなかった。 はあ。 問題はこれから。 今夜には佐藤が来る。 もうただの札束なんて言えない。 あたしの秘密を握った存在。 この調子だと、何要求されるか。 怖い。