悪戯っぽい顔をして、エイトは笑う。 キスで口腔内の温度が上がったせいか、吐く息がさっきより白い。 それが恥ずかしくて、なんだか嫌になる。 「それじゃ」 そのまま片手をあげ、社内に戻ろうとするエイト。 あたしは、おもわずエイトの腕を掴んだ。 「エイト……、なんで……」 納得いかないよ。あたしは。 「神崎さん、会社では『佐藤さん』って呼んでくださいね」 そう言いながら、何事もないように屋上から立ち去る。 それはもう嫌味な口調で。