「どうしたの? 神崎さん、考え込んで」 「いや、佐藤さんの厳しさを思い出して……」 ちょっと涙がうるんでくる。 お局様の一人、福田さんが言う。 「そうなの? でも『佐藤さんについてから、神崎さんが頼もしくなった。新しい仕事任せたい』って部長言ってたわよ」 そうなの? 「ほんとですか! 感激です」 涙出そう、いい意味で。 「私も来年定年だし、仕事任せちゃおうかしら」 「ぜひ」 にやり。 「ちゃっかりしてるわねー、もう」 福田さんは笑う。