青い箱


コーーン……

僕の手から青い箱が落ちた。
その瞬間、君との思い出が一気に頭を駆け巡って……
手放したくないと想って……
「香奈恵!!」
僕は大きな声で君を呼んだんだ。

君はゆっくり僕の方を向き、僕を真っ直ぐに見た。

「僕は…
僕は君と結婚したかった。
君が…好きだから…したかった…
だから…幸せになってほしくて……」
声が小さくなる。
言いたいことがわからなくて…
でも伝えたくて…


「…幸せって何?」