「お前ら…ただ1番前の席に不満なだけだろ?」

「ちっ…違うよ…なっ…なぁカンちゃん?」

「あっ…当たり前じゃん…ねっ…ねぇ?」


ユーヘイもカンちゃんもうまく誤魔化している…つもりなようだ。



1番前の席が嫌だからって朝から騒いでいたのか?


小学生か?



「そんなこと言ってると二学期まで席替えなしにしようかなぁ?」


わっさんがニヤリと笑う。


「ズルいよ!!職権乱用だ!!」

「そうよ!!食券らん…ユーヘイ、今食券関係なくない?」

「食券じゃねーよ!!職権!!」

「だーかーらーショッケンでしょ!?食券じゃん」


2人の主旨からズレたコントが炸裂し、クラス中笑いの渦に。


このクラスはいつもこんな感じだ。面倒くさい時もあったが、今では落ち着くことの方が多い。


「まぁ、席替えは考えておくからそれまでは2人とも1番前の席でしっかり勉強するように。じゃあもうすぐ放送が流れるから指示に従って体育館に行くこと」


そう言うとわっさんは教室を出て行った。